バッテリー関連産業を核とした地域活性化、持続可能な社会の実現に貢献する
中期ビジョン(2021年4月〜2026年3月までの方針)
この度、構想策定以降の社会の変化を踏まえ、2015年の法人設立から中期方針としていた3本の柱を見直しをはかりました。
- 自然災害や大規模な感染症などの危機的事象の常態化と不透明さ
- 少子高齢社会など従来からの課題の顕在化
- SDGsの普及や地球温暖化対策など、持続可能な社会形成に向けた取り組み強化の必要性
- 5GやAI、自動運転など次世代技術の実用化加速
- Society5.0やIndustry4.0の共通概念である「デジタル化」の加速
- 福島イノベーション・コースト構想、福島新エネ社会構想の強化、再エネや水素利活用の拡大
- 原発処理水関連の新たな風評被害の懸念
など、社会的な状況は目まぐるしく変化しています。
また、これまでの活動もこれからの取り組みも含め、地域全体の将来を見据えた考えであることを打ち出し、「しごと(産業)」「ひと(人財)」「まち(都市)」の3つを実現するための方針であることを表明しています。
将来のまちづくり
私たちは様々な取り組みによって、首都圏等からの企業の進出、雇用の増加、交流人口増加などによる地域経済の向上と、さらなる復興がなされることを期待しています。また、若い世代が働きやすい地域環境をつくること、子供たちに夢を持ってもらうことも大切です。そのためにも地域全体で盛り上げていくことが必要です。皆さまのご協力をお願いいたします。
産業の集積を目指す
いわきバッテリーバレー推進機構は、次世代産業のキーデバイスであるリチウムイオン電池などの、蓄電池をキーにした様々な取り組みを支援・実行し、いわき市を中心とした周辺地域が蓄電池関連産業の重要拠点として認知・集積され、また、バッテリーを賢く使うことで再生可能エネルギーの地産地消と分散型エネルギー社会が実現することを目指しています。
現在、リチウムイオン電池における民生用の小型分野は、中国・韓国などの外国勢がシェアを拡大しています。国内のメーカーも海外工場による生産が増えています。しかしこれに伴い、国内の優秀な人材や技術が海外に流出していることも事実です。
国内の蓄電池分野では、車載・住宅用などの大型分野で高い成長が見込まれています。大型のリチウムイオン電池は容量拡大や量産化などの点で技術革新の途上にあり、現在日本が市場のトップにあります。
国内の蓄電池関連産業は、主に首都圏エリア及び関西エリアに集積しています。今このエリアで災害が発生し、関連企業の操業がストップするような状況になった場合、次世代産業すべてに影響が及びます。
そこで、将来の災害リスクによる関連産業の衰退を防ぐためにも、これからの発展が期待される東北地方への分散立地を提案しています。
特にいわき市は、東北地方の玄関口でもあり首都圏との距離も近く、国際バルク戦略港湾である小名浜港があります。また東北の主要都市である仙台市からも近いという利点があります。
バッテリーバレー構想を知る
弊社代表理事が語るいわきバッテリーバレー構想
バッテリーバレー構想がもっと理解できる動画再生リスト(YouTube)
バッテリーとは
ここでいう「蓄電池」や「バッテリー」は、二次電池そのものでもあり、バッテリーを搭載した様々な製品や仕組み、サービスなどもさしています。
みなさんがお持ちのスマートフォンやパソコンなどはわかり易いですが、例えば再生可能エネルギーや水素の利活用でも、安定的な電気を送るためにバッテリーは重要な役割を持っています。
また、地球温暖化を抑えるための脱炭素社会への取り組みのひとつとして世界的な動きを見せている自動車の電動化においては、電気自動車や燃料電池自動車の普及が欠かせませんが、その大切な要素のひとつはバッテリーです。さらに医療機器や、農業や漁業のIoT化、生活や仕事に利用されるロボットやドローンなど様々なものに組み込まれています。
企業の誘致
私たちは、産業の集積を図るために首都圏や関西圏の企業誘致を促進しています。
バッテリーバレー構想の発端となった東日本大震災と同様の自然災害は、今後首都圏や関西圏でも起こる可能性が示唆されています。これらの地域に立地する企業にとっては第二の本社拠点や研究拠点、製造拠点を設けてもらうことでリスク回避策となります。
企業の誘致を図るためには、土地(産業団地)とともに働く人財や進出企業と関われる地元企業が必要です。そのためにも行政や経済団体とともに将来の下地づくりとして様々な取り組みを行っています。
バッテリー利活用の先進都市をめざす
再生可能エネルギーや次世代エネルギー(水素利活用)、自動車や住宅などを蓄電池を組み合わせることで、家庭や仕事、地域に様々な可能性が広がります
この先進的な取り組みは少子高齢化社会や観光資源、自然災害などの対策となり、また創エネと蓄エネによる自立型の電力供給社会をもたらしてくれます。
いわき市を「バッテリー利活用が進む都市」とするために、製品やサービスの普及、機運の醸成を進めています。