港湾の脱炭素化推進によるカーボンニュートラル実現への貢献
一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構(以下:IBV)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)の調査事業「小名浜港を中心とした地方都市の物流・人流のFC化モデル構築に向けた調査」の公募採択を受け、福島県・小名浜港で、港湾及び周辺地域における、モビリティの燃料電池化(以下:FC化)を含む水素の利活用モデル構築に向けた実現可能性調査(以下:本事業)を、2022年1月より順次開始します。
背景
世界120以上の国・地域が2050年カーボンニュートラル実現を目標に掲げる中、日本も温室効果ガス(Greenhouse Gas、以下:GHG)を2030年までに2013年比46%削減、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを表明しています。企業を後押しする産業政策「グリーン成長戦略」では、GHG排出削減のために取り組みが不可欠だと考えられる分野として、エネルギー関連産業や輸送・製造関連産業など、14の重要分野※を設定しています。その中の一つである物流・人流・土木インフラでは、CO2排出量の約6割を占める産業の多くが立地する産業拠点である港湾において、水素などのクリーンエネルギーを活用しGHG排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラルポート(以下:CNP)」を形成し、2050 年までの港湾におけるカーボンニュートラル実現を目指す取り組みも推進されています。
本事業について
IBVは、東日本地域のエネルギーの主要供給拠点である小名浜港において、各パートナー企業と共同で、水素利活用モデルの構築を通じたCNPの形成を目指します。
・小名浜港を中心とした地方都市の物流・人流のFC化モデル構築に向けた調査
小名浜港特徴 | ・いわき市は、エネルギー転換に積極的で、民間主導でFCEV「MIRAI(ミライ)」を100台超導入。 ・燃料の主要輸入港として、輸入された燃料を港からトラックで輸送。 ・国交省が主導するCNP検討会に昨年度から先行して取り組んでいる港の一つ。 |
調査内容 | ・小名浜港を起点とした燃料(例:バイオマスチップ)横持トラックと周辺の物流トラックやバス・タクシーのFC化実現可能性と水素需要ポテンシャルを調査 ・同地域での水素製造、供給の実現可能性調査 ・年代別の最適な水素利活用トータルシステムの検討および成立要件の洗い出し |
調査期間(予定) | 2022年1月~2023年2月 |
共同実施企業 | 豊田通商株式会社、日本環境技研株式会社 |
<水素利活用に関する、IBVのこれまでの取り組み>
2015年
- いわきバッテリーバレーフェスタにて水素利活用、燃料電池自動車、燃料電池バスの導入に関する地域での意識醸成を開始(毎年開催)
2018年
- 定置型水素ステーション開設を促進(2019年根本通商株式会社様、定置型水素ステーション開設)
2019年
- 燃料電池自動車MIRAI、燃料電池バスの市内企業導入を促進(2020年新常磐交通株式会社、燃料電池バスの市内運行開始)
- (燃料電池自動車MIRAIの市内企業導入100台超)
2020年
低炭素社会構築の促進
- 新エネルギー社会実現構想の提案
- 小名浜カーボンニュートラルポート検討会参加
【問合せ先】
一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構 事務局
※なお、調査内容等の詳細に関しましてはご回答できませんので、ご了承ください